テレビ、ラジオ、ネットなどに「SDGs」の文字が登場しない日はないほどメディアへの露出は明らかに増えていますし、十分に多くの視聴者の目に触れているはずです。しかし市民の認知度としてはSDGsの内容ばかりか「SDGs」というタイトルさえもまだまだ浸透していないように感じます。ただ学校教育の中でSDGs が必須科目となり、子供たちが学び、課題に取り組み、家庭に持ち帰ることで親世代の理解が深まる、こうした流れができつつあることは希望の持てる要素ではないでしょうか。

ESG経営で
新たな活力を

 一方企業への投資においてはSDGsへの積極的な取り組み姿勢を評価するESG投資の考え方が急速に浸透し、新潟県内でも取り組みの意識が高まってきていることは間違いありません。
 ただ自分もしくは自社がどのような取り組みを行えば良いのか、その勘所をきちんと把握し的確に実行しているのかという点では心許ないように感じます。手探りで始めたもののポイントがズレてしまっていたために手間とコストだけがかかり目立った成果につながらなかった、もしくは成果につながる見通しが立たないので取り組めないと考えているケースもあるのではないでしょうか。これが盛り上がりに欠ける一つの要因になっている可能性があります。

 やはり先行する成功事例から本質をしっかり学び、単なるコピーではない自分なりのアレンジで実行することが必要なのではないでしょうか。

何に取り組めば・・・


 ここでは個別に紹介しませんが、成功例の多くは”新潟の特性”を土台にしつつこれまでの概念をリセットし新たな価値創造に踏み出しているケースであると思います。
 取り組みが徒労で終わらないようにするためには“新潟の特性”、つまり強み・長所と弱点に対しどのようなアプローチをすれば自らのパフォーマンスを最大限に活かすことができるのか、ここを確実におさえなければなりません。当たり前のようですがこの検討・検証に基づく的確な事業設計が成否を決めることになります。

既成概念や常識にこだわり
変化や危機への対応が遅れると
徐々に腐敗が進む

「ふるさと納税」も
地域活性化の一助
ではあるけれど

 “新潟の特性”を生かすといっても「ふるさと納税」に依存しすぎる方策には注意が必要ではないかと思います。「ふるさと納税」の本来の趣旨は「地域の活動・発展を支える寄付」といったものですが、納税者側は「お得に返礼品がもらえる」という点にフォーカスしがちです。このため自治体の過剰な返礼品や自治体間の過度な競争が問題となっていることは周知の通りです。さらに納税がお得な特産品のある地域に集中して格差が生じる上、移り気な納税者がお得な返礼品のもらえる方にどんどんシフトしてしまうので「安定した税収」に繋げられるかどうかは疑問です。もちろん安定した収入につながるよう各地域の担当者の継続的な工夫と努力が活性化の原動力になることを期待され、そうした意味で一定の効果はあるでしょう。
 しかしやはり「住みやすい街、住みたい街」を創ることで定住者を呼び込み納税者となってもらうことが「安定した税収」につなげる基本であるべきなのではないでしょうか。「返礼品をどうするか」に知恵を絞る前に「住みたい街にするための一層の努力」が欠かせないはずであると思います。