日々の生活で「電気」は身近かつ安全に使えるエネルギーとして私たちはそのメリットを享受しています。
 しかし多くの人はその「電気」を得るために多くのエネルギーを無駄にしていることを意識していません。エネルギー資源の少ない日本において現在発電の主力は火力がおよそ75%ですが、そのエネルギー効率はおおむね40%前後です。つまり残りの60%は大体において有効に利用されることなく熱として大気中に放出されるなど無駄になっています。

福島第一原発の事故
多くの教訓と課題を残した

 また原子力発電所のように都市部ではなく地方に建設され長距離の送電線で都市部に送電して使用される場合送電線での電力の損失も無視できないものです。さらには送電線で送ることができる電力の最大量に限度があるため太陽光などの再エネ電気を受け入れ制限するなどの問題も顕在化しました。
 原子力発電は福島第一原発の事故によって微視的な発電コストではなく最終処分までの長い目で見たトータルのコストと労力や損失が途方もない負担として世代を跨いで引き継がれることが明らかになりました。
 大型の発電所に依存する現在の電力需給の形態では北海道胆振地震で経験したように大規模広範囲の停電につながる恐れもあります

 未来創造実践工房は主として自然のエネルギー源によって無理なく必要な「電力」を得て、かつ災害時にも途絶えることなく利用できるエネルギーの地産地消のシステムの構築を目指します。

<システム構築のシナリオ>

 【Point】

  ・エネルギー問題について「電源構成」を論じる以前にエネルギー源の
   持つポテンシャルを最大限に生かす「利用のあり方」の議論が必要

  ・個々の発電施設の所有者や地域の事情に合わせた多様な要素
  (発電装置や電力事業者)を組み合わせて柔軟に構成

  ・大災害などの非常時に最低限の電力を確保するリスク分散型システムの構築

  ・入手しやすく安価な部材でのシステムアップ・導入

 【Phase 1】

  ・一般家庭など小規模な単独のシステムで最大限の再生可能エネルギーを
   得られるシステムの構築について実験・実証を進め実用化の目処を立てる

  ・一般家庭での必要電力量を把握する(日常的な使用量と余裕)

  ・太陽光、風力、水力など発電要素として活用できそうなものを組み合わせる
   ことでエネルギー受給が途切れずかつ無駄のない構成について検討と実証を行う

  ・個人でも入手し易い安価な部材を利用してシステムアップする

  ・本事業を後押しする行政・自治体の承認と支援が受けられるよう制度整備について
   働きかけを行う(実験対象の家、地域の選定についても協議)

【Phase 1】個別の住宅で自然エネルギーを活用する電源設備のイメージ

(参考)補助金対象の省エネ住宅ZEH(ゼッチ)のイメージ

(参考)省エネ住宅ZEH(資源エネルギー庁のHPより)

 【Phase 2】

  ・複数の個々の住宅(小規模システム)をインターネットで接続し、連動して発電し
   利用できるVPPの構築について実験を行う
   (VPPについて技術やノウハウを持つ企業と協力)

  ・街・集落の中でのシステムアップについて検討する
   (全体の何%の協力が必要か、蓄電設備は個別に持つか、など)

  ・既存の電力会社との接続(不足分の受給のための制度整備)について行政との折衝・
   協議を進め「新潟モデル」として構築、普及に勤める


【Phase 2】複数の住宅をインターネットで接続し、VPPを構成するイメージ

 【Phase 3】

  ・公共交通の規模が縮小され地域住民の“足”が失われる一方の高齢化過疎地域でも
   住み続けられる街に再生・活性化するため、エネルギーの地産地消とモビリティ
   を一体として社会システムを再構築
   再生可能エネルギーには地熱やバイオマスなど多様な要素を追加し容量を拡大

【Phase 3】エネルギー利用とモビリティを一体として社会システムを再構築するイメージ